結局は派閥頼み


「菅降ろし」の号砲? 前原グループが距離 

2011.3.8 00:04(1/2ページ) 産経ニュース

 前原誠司前外相の辞任は、菅直人政権の中核となってきた民主党前原グループ凌雲会」(約50人)が首相と距離を置き始めたことを意味する。同グループ内では首相に対する不満も出ており、今回の辞任劇は「菅降ろし」の号砲になる可能性を秘めている。

 前原氏、枝野幸男官房長官、今年1月の内閣改造まで「陰の首相」として実権を振るった仙谷由人代表代行を主軸とする前原グループへの党内のやっかみは強く、軋轢(あつれき)を生んできた。

 「こういう時こそ党の一体性を作る努力をしていかなければならない。そういうチャンスでもある」

 挙党一致体制の構築を主張する鳩山由紀夫前首相は7日、記者団にこう語り、首相に前原グループ偏重からの脱却を呼びかけた。
 だが、前原氏の後ろ盾の仙谷氏がこうした声を意に介している気配はない。仙谷氏は6日夜、記者団にこう語った。

 「前原氏は極めて有能だし、諸外国との信頼が高まっていただけに残念だ。この程度のことで…。これ、トリビアリズム(瑣末=さまつ=主義)っていうんだよな」

 そもそも前原氏の辞任は、政治資金規正法が禁じる外国人からの政治献金を受けていたことを認め、首相との1時間45分にわたる会談で度重なる慰留を受けながら自ら決めたことだ。にもかかわらず、仙谷氏の口ぶりには単純ミスでの辞任を認めた首相への不信感がにじんでいた。

 仙谷氏も1月の内閣改造官房長官を外れた。首相は参院で問責決議を受けた仙谷氏の留任を模索したものの、最後まで守り切ろうとはしなかった。仙谷氏は今回の前原氏の辞任劇を自らの更迭と重ね合わせていたのかもしれない。

 仙谷氏や福山哲郎官房副長官前原グループ幹部は辞任表明に先立つ6日午後、辞任を踏みとどまらせようと前原氏を説得した。一方で別の幹部は「閣内に残っても内閣そのものが長くはもたない」と“泥船”から下りることを勧めた。

 前原グループ、首相が率いる「国のかたち研究会」(約30人)、野田佳彦財務相の「花斉会」(同)の「主流3派」は、昨年9月の代表選での首相再選を実現。小沢一郎元代表の「政治とカネ」の問題を、最も先鋭的に追及してきた。
 「辞める必要はない。こういう時に頑張るのも一つの方法じゃないのか」

 外国人献金問題で最前線にいた安住淳国対委員長は先週末、周囲に辞意を伝えていた前原氏にこうアドバイスした。政権の柱である外相が辞任すれば、閣僚が「ドミノ辞任」に追い込まれるとの判断もあったとみられる。だが、前原氏の決意は固く辞意を覆すことはできなかった。心中に期するものがあったのか。

 「親小沢とか非小沢、反小沢という『小沢史観』の時代ではもうない。そういう議論をすること自体が日本政治にはマイナスだ」

 前原氏は10日発売の月刊誌「文芸春秋」のインタビュー記事でこう語った。「非小沢」で結びついてきた首相と前原氏の思惑のずれは、誰の目から見ても明らかになってきている。(加納宏幸)




民主党に派閥は歴然として有るのです。ですが、これまでのカン政権の迷走は、自民党の派閥の争いと何ら変わらない様相を呈してきた。

政権交代前、マスコミを介して、あれ程批判してきた自民党の派閥争いを今度は民主党が始めようとしている。マスコミは派閥から「グループ」と表現を和らげているが、良く見ると派閥と何も変わらない。

オザワ対カン代表争いも結局はマエハラ、カン、ノダの各派閥が「カン再選」を決めたことによって、カンナオトが代表選に勝ったのである。
何のことは無い、政策とか方針とかでカンが勝ったのではない、ただ派閥の理論が働いだけである。これは、昔の自民党と同じ手法である。

したがって、派閥の首領である「マエハラ」が辞めたことでカン政権は拠り所を失い、党内的にも立場が弱くなった、と言えるだろう。

自民党に文句ばかり言ってきた民主党の中身は、派閥の寄り集まりでこの面では、自民党と何ら変わないのだ。それで、よくもまぁ自分たちのことを棚に上げて「自民党批判」を繰り返してきたのだ。民主党は自らの言動を恥ずべきだ。
民主党に票を入れては成らない