菅政権は完全な「八方塞がり」 誰がどう見ても「詰み」

2011.3.7 00:50(1/2ページ) 産経ニュース

 内閣の柱石である前原誠司外相の辞任表明で、菅政権は歴代内閣で類を見ないほど完全な「八方塞がり」に陥った。誰がどう見ても「詰み」であり、菅直人首相は潔く投了し、内閣総辞職か「破れかぶれ解散」かを選ぶしか道はあるまい。

 4日の参院予算委員会。前原氏ら閣僚の政治資金問題を追及していた自民党西田昌司氏は、首相にこう注意した。

 「菅首相、寝てる場合じゃないんですよ!」

 これほど危機感の薄い首相だったが、6日夜の前原氏との会談後、記者団の前に現れたときの表情は険しく目は充血していた。ようやく、自分の置かれた立場を理解したのか。

 首相はこれまで、先の見通しのないまま行けるところまで居座りを図る作戦だった。予算関連法案が成立せず、国民生活に影響が出れば批判を浴びるのは野党の方だという計算からだ。

 だが、そんな開き直りが通用する状況ではなくなった。1月に内閣改造をしたばかりなのに、主要閣僚を失った首相の求心力はますます低下する。野党が任命責任を追及するのは必至で、10%台と低迷する内閣支持率もさらに下がりかねない。

 前原グループが、首相を支える民主党内基盤の核だったことも大きい。首相はグループの中心で、前原氏の「後見人」である仙谷由人代表代行とは官房長官を更迭して以来、距離感が広がっている。

前原氏の辞任の原因が「政治とカネ」であることも深刻だ。首相の掲げる「クリーンな政治」はボロを出してしまった。首相は政権運営に行き詰まると、小沢一郎元代表をたたいて政権浮揚を図ってきた。それももう通用しない。

 菅内閣では前原氏だけでなく、野田佳彦財務相蓮舫行政刷新担当相も脱税事件で有罪判決を受けた男性の関係企業から資金提供をされていた。党内外から「小沢氏のことをいえた義理か」との声も出ている。

 野党側は、主婦年金の救済策をめぐり細川律夫厚生労働相も問題視し、参院で問責決議案提出を検討中。前原氏の辞任が引き金となり、「辞任ドミノ」が起きる可能性もある。問責の刃(やいば)はいずれ、首相自身に突きつけられるかもしれない。

 首相は、これまで政治的に追い詰められているにもかかわらず、妙に元気だった。その理由を周辺はこう推測する。「自分が正しいことをしていると信じているからじゃないか」。

 だが、それはあまりに主観的・独善的にすぎる。政治の停滞で迷惑を被るのは結局、国民だと首相は知るべきではないか。(阿比留瑠比)




マエハラ大臣は決断した。外国人から献金を受けたとして、外務大臣のマエハラ氏が辞任した。
民主党の議員としては極めて珍しく敏速な判断だった。
ここまで早いと傷は軽微で済むだろう。

ただし、任命したカン総理は軽微ではすまない。今後マエハラ氏の辞任に基づき「任命責任」が問われる。
この「任命責任」を問いだしのは、野党時代の民主党である。従って、イザ自分たちにこのような形で「任命責任が問われ」ても、何処にも文句を言うことは出来ない。

近々、主婦年金の救済策の不手際により「厚労大臣」の問責決議案が上程される見込だ。この案が可決されれば、カン内閣は総辞職に追い込まれるだろう。
ここで、解散ができるか、黙って総辞職するかで、民主党の値打ちが決まる。


カン総理にはブーメランがお似合いだ