普天間問題
基地反対、1万5000の声=「豊かな島守ろう」住民ら−徳之島
(2010/04/18-20:44)時事通信「豊かな島を、みんなで守ろう」。米普天間飛行場の移設先として浮上した鹿児島県・徳之島。主催者発表で1万5000人を集めた反対集会の会場では18日、住民らがふるさとの島への思いを熱く語った。
すぐそばに青い海が広がる亀津新港の特設会場。強い日差しの中、午前9時ごろから参加者が集まり始め、開始時刻の11時には人波が会場を埋め尽した。参加者は思い思いのプラカードやのぼりをたなびかせ、移設反対を訴えた。
「くわど宝、わきゃ島の宝(子は宝、わたしたちの島の宝)」。徳之島町の助産師野中涼子さん(33)は子ども4人と登壇し、島の言葉で訴えた。「都会に出て、初めて島の豊かさを知った。この島をみんなで守っていきましょう」と呼び掛けた。
段ボールに「ぜったい反対」と書き、野球部のユニホーム姿で参加した徳之島高校2年の藤井大智君(16)は「米軍は悪いことしかしないというイメージ」と不安を訴えた。
移転候補地として注目される徳之島空港を抱える天城町。闘牛の世話をしているという同町の塗装業清岡龍樹さん(21)は、「空港が近いので集落ごと(米軍に)持っていかれる話がある。畑がなくなれば飼料も作れず、島伝統の闘牛もなくなってしまうのでは」と懸念、「1人の力が島を救う」と力を込めた。
一方、住民の中には移設に賛成の人もいる。タクシー運転手の春山勝信さん(63)は「島には仕事があまりない。基地の移設で雇用が生まれ、島の活性化につながるのでは」と期待をにじませた。